【英国】トロリーバス架線の分岐器を観察する。
以下、撮影は2017年4月。
イギリスを旅行中、現地のトロリーバス博物館を訪れた際に観察・撮影したもの。
日本ではトロリーバスの存在自体が希少であり、現存する路線 *1 もトンネル内を走行しているため、地上でトロリーバス架線の分岐器を観察する機会はまず無いと思います。
今回訪れたイギリスの博物館は、トロリーバスが大規模な形で動態保存されている施設だったため、架線の分岐器の様子も詳しく観察することが出来ました。
トロバス架線の分岐部といえば上のような感じですが、では、分岐器はどのような造りになっていて、どのような感じで動作するのでしょうか。
上は最初の写真よりも更に分岐器の部分を拡大したもの。
まさしく見ての通りなのですが、分岐器部分はこのような造りになっている、というのが分かると思います。
では、これがどのように動作し、トロリーバスのポールがどのように通過していくかというと・・・
下の動画を見てもらえれば、その様子がよく分かると思います。
両側の架線にある二股に分かれたかのようなパーツが、ワイヤーで引っ張られて、まるで鉄道線路のポイントのように動作しているのが分かります。
それにより進行方向が切り替わり、トロリーバスのポールが正しい方向に進んでいき…
その後は、スプリングの力で定位置に戻っていることが見て取れます。
では次に、この架線の分岐器、どのように操作しているのでしょうか。
下の写真を見てみましょう。
上は架線柱に取り付けられた、架線の分岐器の操作部。
写真下にある輪っかを下に引っ張ることにより、架線の進行方向が切り替わり、手を離すとスプリングの力で元に戻る…というシンプルな仕組み。
なお、輪っかと分岐器はワイヤーで繋がっています。
電動ではなかったんですね。
そのため、係員が手動で分岐器を操作し、合図を出してからトロリーバスを進行させる…という流れを取っていました。
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このように日本ではなかなか出来ないであろう、トロバス架線の分岐器の観察。
20世紀のシステムのため旧式ではあるでしょうが、トロリーバスを大規模に動態保存している施設で、普段お目にかかれないものを観察出来たことは、なかなか興味深いものでした。
この他にも、このトロリーバス博物館は、保存車両の大部分が動態保存されているだけあり、興味深い部分が沢山。
まさしく日本では味わえない「トロリーバスの楽園」であるこの施設、いずれ機会をみて他の部分も詳しく紹介出来れば、と思います。
以下、博物館のデータを簡潔に記しておきます(詳しいことは検索してみて下さい)。
●名称:サンドトフト・トロリーバス博物館
●現地英称:The Trolleybus Museum at Sandtoft
●備考:開館日がかなり限られているので注意が必要